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運良く居候発言は竹刀の音によってかき消されたようで、山崎は何食わぬ顔で俺達の会話を見守っていた。


それにひと安心しつつ、とりあえず軽ーく彼(雪兎と呼んでくれと言われた)に問いただしてみれば、なんと雪兎は桃矢の友人らしい。

今日はコーチの代役で来ておりいつも剣道クラブのコーチをしている人は急遽用事ができて来れなくなったということも聞いた。なるほど。


「(桃矢の知人だったから居候の事知ってたのか…)」


「それにしても気付かなかったなぁ、君あの時顔面蒼白で倒れてたから…もう調子は良いの?」


「はい、もうすっかり。その節はお世話にな、り…」



そこまで言ったところでハッと気付く。
何に気付いたのかと言えば、背後からにじりよってくるような山崎の視線に、だ。



「ねぇ和泉君。倒れてたとか顔面蒼白とか…一体何のこと?」


「え、ぁ、いや、その…!!」


「 何 の こ と ? 」



一言で言わせてもらおう。怖いっ!!

なにこいつ薄々感づいてたけどやっぱ黒属性なのか。嫌すぎる…っ!!








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あきゅろす。
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