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「じゃあ桜井は山崎の隣に座ってくれ。山崎、手をあげろー」


先生がそう言うと教室の後方からはーい、と妙に間延びした声が帰ってきた。


そっちの方に視線を向けてみれば、ほこほこと笑顔を浮かべながら嬉々として手を上げる『山崎君』がいた。



「……………」

『…なんというか……お前が最も苦手としそうなタイプ「(言うな…!!)」



とりあえず突っ立ったままだと悪いから足を踏み出し、山崎の方へ歩み寄る。
好機の視線がむず痒いが、負の感情でないだけ随分とマシだ。



「…よろしく、山崎君。」

「うん、よろしくね。和泉君!」



いきなり名前呼びかい。

あああ左後ろではさくらがきらっきらした目で見てくるし、目の前では山崎が空いてるかも分からない目でじっと見てくるし…!


とりあえず取り繕うようにさくらへ笑みを返し、すとんと自分の席に着いた。


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