マクロスF小説 もう一度君と 今思えばあいつは何らかのサインを出していたのかもしれない。 俺が、あんまりにも鈍感だから気付かなかった……………いや、付こうともしなかったんだ。 理由をつけてはいつもランカの事は後回し。 それでも「お仕事だから仕方ないよね。」と淋しそうに笑って許してくれた。 けどそれも最近はすっかり無くなった。 ランカと話す機会が無かったのだ。 正直に言うとあの時の自分はランカよりシェリルの方が好きだったのかもしれない。 その証拠にシェリルと四六時中一緒にいてとても楽しかったのだ。 ふと目を閉じるとあの時の淋しそうに笑う顔が脳裏をよぎる。 なんで、俺はこんなにバカなんだろう。 ランカは、俺に勇気をくれた。 ランカは、俺に希望をくれた。 ランカは、俺に、愛をくれた。 なんで、もっと大事にしてやらなかったんだろう。 今になって後悔の念が押し寄せる。 出来るなら、もう一度お前とアツい抱擁をかわして、真っ赤になった唇にキスして、嫌になるくらい愛の言葉をプレゼントしたい。 気付いた後には手遅れで、 (俺は馬鹿だから、大事な物はなくしてから気付くんだ。 どんなに渇望したってお前が 敵 という事実は変わらないんだよな) ‐‐‐‐‐ もしランカちゃんが本当に敵にまわったら。 [*前へ][次へ#] |