仮面の学校 05 そんな会話を個室のドア越しから 聞き耳をたてているのは 先程まで神名青となっていた 烏丸祢我だ これはさすがにマズイ 今はそのような状況だ 先程までの状況なら 斎藤も無傷で済んだだろう が、斎藤に絡んでいた生徒が 呼んだ恐らく体育会系の生徒 ガチムチ系と俺は推測するが その生徒…しかも一人ではなく 声を聞く限りでは3人くらいだろうか そんな奴らに囲まれて これでは無傷では帰れないだろう そして一人の生徒が言った言葉 『俺、平凡相手に起つかな』 これでは斎藤は 確実に強姦されるだろう そうとなれば助けなくては やはり会ったばかりとは言え 一応『知り合い』となった者が ヒドイ目に合うのは嫌なものである ましてやあの王道の とばっちりを受けたも同然の者が 男に…しかも強姦…そしてリンチ 事前に碧宮に入る前に 受けていた説明にも −親衛隊からの制裁 肉体的にも精神的にも与えられるもの なにも害のない者がそのような行為を 強いられてしまう だが、俺は喧嘩は強くない というよりも喧嘩をしたことがない でも目の前にいる 近くにいる者の助けの声を 見捨てるよりは 自分が犠牲になる方が のちに後悔がなくて良いだろう そしてここで斎藤を助けるのは 俺が偽善者だからで そのエゴである だから… 祢我は再び神名青に戻った * マエツギ # [戻る] |