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仮面の学校
09



 「そうですね
 俺も非力ながら助けを呼べば良かった
 ですが、まず先に
 斎藤を助けようとしました
 一応、助けるタイミングを
 計っていました
 その前に貴方が来てしまった
 それまでの話です」

 青は淡々と述べた


 そこには自分がまだこの学園に来て
 間もないことなどは含めずに


 「そうか…タイミングを計っていたねぇ
 ハッ、笑わせんじゃねぇよ
 テメェはもっと前から助けれた筈だろ
 何故そうしなかったかなんて
 後から理由を付けれる

 所詮テメェは自分を
 守っただけなんだろ」


 嵯峨の言うことは尤もであった
 青はそれに敢えて反論はしなかった

 自分が偽善者であることなど
 自分が一番知っていたから

 自分が変わりたくて変わっても
 所詮自分は醜く滑稽な人間なんだと

 「……貴方が言う通りです
 タイミングを計ってたなんて言い訳だ
 俺は俺がかわいいんです
 だからすぐに斎藤を助けれなかった

 …それでは俺は失礼します
 二度と会うこともないでしょう
 いや、そう願います」

 そう言って青はトイレを出た
 いち早くこの場から出たかった

 自分の脆さを嵯峨に
 悟られるのが嫌だったから…





 今トイレにいるのは
 嵯峨と嵯峨が気絶させた生徒のみ


 気絶している生徒の懐から
 カードキーを抜き取り


 嵯峨はポツリと一言
 独り言をいった
 「そう思うんなら…なんで今
 そんな苦しそうな顔すんだよ
 馬鹿だろ」


 そして嵯峨もトイレが去った



 今トイレにいるのは
 気絶させられた生徒のみ…




* マエツギ #

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あきゅろす。
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