[携帯モード] [URL送信]

‡CRYSTAL‡
石碑に纏わる事件






「なんという事だ…」


町長が漏らした驚嘆の声が、狭いドーム内に響いた。

ダイスも石碑の変わり果てた姿に、思わず後ずさる。


「こんな…事って…」


石碑は、今までのように砕かれていなかった。

ただ一つ違う事は、石碑を覆うように巨大な水晶の柱が出来ていたのだ。



「こ、こんな筈は…っ!
今朝見た時は確かに無事だったのだ!!」


うろたえる町長の言葉を聞きながら、ダイスは困惑した頭で必死に考えた。


石碑に次々と降り掛かる不幸。
それはいつも、自分達が訪れるのを見計らっているように起きている。

――何者かに、見られている?


「まさか、そんな…」


考えたくはないが、自分達の中に犯人と繋がっている者がいる可能性さえ出てきた。

それにこの不可解な現象についても、ただ事ではないと言える。


「…町長。すぐに此処を閉鎖して下さい。
色々と、調べる事があるので」


そう言ってダイスは、悔しそうに唇を噛み締めた。




.

[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!