[通常モード] [URL送信]

‡CRYSTAL‡
セーマ捜索



「…でも、なーんか面白くないわ」

「団長不在で俺らどうしたらいいんだよ」

「まさかこのまま待機…なんて言いませんよね!?」


「心配すんな、お前らには他にやってもらいたい事があるんだよ」


ぶつくさと口を尖らせる三人組を宥めるように、ロゼは言った。



「ダイス、陛下にセーマ捜索のこと話したか?」

「あ…うん。石碑を壊した犯人の手掛かりの事も報告したよ」

「「「???」」」


二人の会話の意味が分からず、三人組は互いに顔を見合わせて首を傾げた。




「俺がティナに付いてる間に、セーマを捜してくれ」

「「「はぁ?」」」


唐突なロゼの言葉に、三人組は声を揃えて素っ頓狂な顔をした。
訳が分からないという彼らの反応に、ロゼは顔をしかめる。


「おーい、お前らまでアイツのこと忘れたなんて言うなよ?」

「何言ってるんすか!!
俺らがセーマさんを忘れる筈ないっすよ!!」


モークは首を大きく横に振って否定の意を見せた。
他の二人も同時に頷く。


――やはり、そう簡単に忘れるような人物ではない。
ダイスは心の奥でそう確信した。



「僕からも頼むよ。どうしても今、セーマ君に会っておきたいんだ」

「良く分かんないんだけど…もしかしてティナに関係あるの?」


ヒルダの鋭い質問に、ロゼとダイスは口を閉ざした。

沈黙は、肯定。
カウルやモークは首を傾げていても、策士ヒルダはごまかせなかった。


「…あのね、団長サンに隊長サン。
理由がハッキリしなきゃ、あたし達だって動きようがないでしょ」

「や、そうだけど…」


勘繰るようなヒルダの言動に、ロゼとダイスは何故か戸惑いを見せた。

カウルとモークは普段の経験から、こういう時のヒルダには逆らわない方が良いと判断し、後退った。







『言いなさい』






案の定、彼女の脅しは何よりも恐ろしかった。




.

[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!