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‡CRYSTAL‡
突然の訪問
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なんとか無事に帰船したダイスはラダムを医務室へ運び、傷の手当てを受けさせた。
幸い鎧に守られていたお陰で傷は浅く済んだそうだ。

その後ダイスはティナ達のいる個室へと足を運び、詳しい話を聞いた。

昨年彼女は天上ヴァリアスの王に戴冠し、この二年間で政治経済学や法学など、国を統治する知識を身に付けたと言う。
そして今回彼女らは、天上世界の技術で作り上げた“転移装置”によりエクセニアへ舞い降りたそうだ。

訪問目的は、皇帝リードへの謁見。
どうしても早急に話したい事があると言うのだ。

天地戦争は休戦状態であったが、女王直々に赴いたとなると話は別。
あまり地上人を刺激したくないからというティナの希望で、今回は護衛役としてアリアとシエルのみを同行させたそうだ。



話を終えても、ダイスの考えは纏まらなかった。

聞きたい事は沢山あった筈なのに、質問が何も浮かばない。
今のダイスの頭の中は考える事が多すぎて、混乱寸前だった。


これ以上、難しい事はあまり考えたくない。

ラダムは医療班に任せた。
調査隊は各々で今回の結果を報告書に書いて提出すると言っている。

ティナの事は、皇帝に任せればいい。

そう判断し、ダイスはそれ以上深くティナ達と関わろうとはしなかった。





――――――



首都へ到着すると、すぐにティナは謁見の間へ通された。
本来ならば皇帝との謁見は前以て日時を決めておかねばならないのだが、相手が【憂歌の唄い手】となればそうも言っていられない。

高い天井。
美しいシャンデリア。
長く赤い絨毯。
室内を囲む沢山の兵士達。

そして玉座にはエクセニア皇帝リードの姿があった。



「君が…ティナか」


ティナが首都に滞在していた時には、皇帝と彼女は顔を合わせた事がなかった。

その為、今回二人は初対面となる。





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あきゅろす。
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