‡CRYSTAL‡ 首都研究機関 首都エクセニアの保安局が結成した、最高研究機関。 この地上世界の優れた学者を集めた、集大成。 ウォンは、その機関の権威と言える博士だった。 「たった5年でこんなに成長するなんてねぇ。 でもこの珍しい銀髪には確かに見覚えがありマスよ」 ウォンは観察するようにティナをまじまじと見つめ、長い銀髪をくるくると指で遊び始めた。 非常に嫌悪な表情を浮かべながら、ティナはその行為に耐えている。 「ウォン、早速だが検査を始めてくれないか?」 「勿論、願ったりデス♪」 ギースの依頼にウォンがおどけた返事をかえすと、ティナは首を傾げた。 「あの…検査って?」 「君が僕の計画に適応できる人間か、まずは精密検査させてもらいマスよ。 な〜に、痛い事はしまセンから♪」 ウォンはそう言って、再びニッコリと笑った。 その胡散臭さはダイスと同等、いやそれ以上。 ティナは物凄く嫌な予感を察知し、思わず身を引いた。 「言っておきマスが、君に拒否権はありまセンよ? 地上世界を助ける為には、徹底してやらねばなりまセンからね」 「……分かりました」 「いい子デスね♪」 大人しく了承したティナは、ウォンに頭を撫でられた。 地上世界を救う為。 オルガを滅ぼす為。 彼女はそう自分に言い聞かせるしかなかった。 . [前へ][次へ] [戻る] |