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┣╋CENTURIA╋┫
貴方に贈る一冊の本












  ――…ん?



  ああ…、これは失敬。


  どうやら、居眠りをしていたようですね。

  何しろ此処に人が来る事など
  滅多にないもので。




  改めまして、

  いらっしゃいませ、迷えるお客人。




  今日はどのような本をお探しでしょうか?



  ご覧の通り、

  ここは街外れにある古い図書館です。




  全く人目に付かないこの小さな館で、

  一体何をお探しでしょうか?





  想像力を駆り立てられ

  頁を捲る楽しみを覚え

  甘酸っぱい恋に胸を躍らせ

  切ない運命に涙し

  予測できない結末を見届たい。




  そんな物語でもお探しでしょうか?





  ああ、それでしたら…

  貴方にぴったりの本をご用意していますよ。





  ――そう、これは

  何の他愛もない、只のお暇潰しの物語。










  ――…昔々、
  舞台はとある国の港町。



  平和なその町には、
  不思議な力を持った一人の女性がいました。



  不幸で苦しむ人々を幸福にしたいが為に

  名も無き女性は、毎夜神に祈りました。




  祈りは神に届き
  女性は神に見初められ


  人を幸福にする力を授かりました。



  彼女が授かった力によって、
  町は幸福に包まれました。



  そして、次第に人々は彼女を

  こう呼ぶようになりました。







  神と人を繋ぐ架け橋。

  大地に舞い降りた救世主。

  神に愛されし聖女。






  その全てを冠した名…


  『祝福の乙女』、と。













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センチュリア
〜祝福の乙女〜









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あきゅろす。
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