【AA】double ace 勝敗 ふっと鼻で笑うようなマオの挑発に、悔しくも歯を食いしばることしか出来ないケイ。 残念ながら今の彼は拳を受け止める事で精一杯だった。 「その程度の力で意気がっているようでは、いつか足元を掬われるぞ」 「んだと…っ」 いよいよケイの殺気が際立ってきた、その瞬間。 ――ドカッ!!!! 嫌な音が会場に響き渡る。 マオがもう片方の拳を、がら空きだったケイの鳩尾に入れたのだ。 「がはっ…」 「ケイっ!!!!」 少量だが血を吐き、膝を地に付けてケイはうずくまった。 ユーシィが悲痛の叫びを上げる。 「…勝負ありましたね」 インガはそう判断すると、会場に声を轟かせた。 「そこまで!! この勝負…マオ・サライの勝利とする!!」 『ワァァァっ!!!』 民衆から大歓声が沸き起こり、一気に会場は盛り上がった。 「すげぇ!あの【カイザー】に勝ったぞ!!」 「さすがマオ様!! 我がガノッサのフィロワは無敵だ!!!」 [前へ][次へ] [戻る] |