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【AA】double ace
踏み入れた外界
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――――――




――…ドサッ!!


 勢いよくゲートに飛び込んだ所為で、ケイとユーシィは大きく倒れ込んだ。

 ケイは咄嗟にユーシィを庇い、下敷きとなる。


「いてて…大丈夫か、ユーシィ」

「もう、ケイ!いきなり何を…っ」


 文句を言おうとしたユーシィは、辺りの光景を見て、言葉を失った。


 目の前には開かれた扉。

 今、二人がいるのはゲートの前に違いないが…。

 さっきまでいた筈のディクセンらの姿はない。


 何よりクレミアとは空気が全く違う。


「嘘、まさか…」


 この状況を嫌でも把握せざるを得ないユーシィは、徐々に顔を青ざめた。

 血の気が引くとは、まさにこの事だろう。


「私もゲートを通ったの…?」

「へぇ、ここが南聖都か。
ゲートの造りはクレミアと同じみたいだな」


 全く動じていない様子のケイに対し、ユーシィは未だに落ち着きを取り戻せずにいた。

 だが、その時。




 ――ダダダダダッ!!


「っ…!!?」


 聞こえてきたのは、大勢の慌ただしい足音。

 ケイはそれに反応し、咄嗟にユーシィを庇うように前に出る。


「侵入者だ!!」

「貴様らどうやって入った!?ここは立入禁止の筈だ!!」


 やってきたのは、クレミアでは見慣れない武装をした衛兵。

 二人に銃口が向けられる。


「…ケ、ケイっ!」

「――…っ」


 これこそが、【カイザー】の旅の始まりだった。






―第1章 完―



⇒あとがき

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