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【AA】double ace
二度目の戴冠式








―――――――――






〈夢幻城〉の中庭へと登場したユーシィ。

辺りは[夢神子]の誕生をこの目で見ようと、大勢の民が観覧していた。

その中には、不安げな表情のヤンノとセリルの姿もあった。







「これより東聖都クレミアの[夢神子]戴冠授与式を行う…。ユーシィ・シャリオン、前へ」


「…はい」




名前を呼ばれたユーシィは、神官の前に跪く。

大勢の民の視線を集め、期待や希望を背負いながらも、ユーシィは肩を震わせていた。

そんな彼女を見据えて、神官は問い掛ける。




「汝は東聖都クレミアの新たな[夢神子]として、礎の創造主ネイフェリアの掟に従い、生涯をクレミアの為に尽くし、また繁栄に導くことをその身に誓うか」






会場に低く響き渡る神官の声。

その一言一言が、ユーシィを確実に追い詰めていった。

ユーシィは言葉を発せずに、黙り込んでしまう。

応答しない[夢神子]の様子に、会場もざわつき始め、動揺の色を見せた。

その傍らではディクセンが、客席ではヤンノとセリルが不安げな表情で、俯くユーシィを見つめていた。

そんな周囲の空気をユーシィも感じ取り、焦る気持ちで何とか声を出す。







「…はい、私は東聖都クレミアの新たな[夢神子]として、礎の創造主ネイフェリアの掟に従い、生涯をクレミアの為に尽くし、また繁栄に導くことを――」

















「――…この身に誓います」







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