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【AA】double ace
最後の都市へ







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マラゲーニャを後にしたケイ達は、最後のゲートに辿り着く。

この先は未開の都市、北聖都インステラ。

不安と期待が入り交じった気持ちのユーシィとディクセンだが、今は何よりケイの事が気掛かりだった。



「ケイ…大丈夫?さっきから元気ないけど…」

「…平気だよ。行こうか」



小さくそう言うと、ケイはいつもの様にゲートに手をかざす。













大丈夫じゃない。

これ以上都市を回って、情を持ちたくない。


行きたくない…っ!!














だがそんな願いも虚しく、ゲートの装飾は反応した。






「行きましょう、最後の都市へ…」






三人は最後の都市へ繋がるゲートに、足を踏み入れる。






――キィィィィンッ!!





三人の体が光に包まれる。






ゲートを通り抜ける瞬間、ふとケイが口を開いた。













「――…ユーシィ」


「えっ?」







突然に呼ばれたユーシィは、ケイを見る。




今日のケイは朝から変だった。

昨夜も、せっかく勝利を修めたというのに、全く嬉しそうな素振りを見せない。

明らかに、様子がおかしい。



ユーシィは心のどこかで感づいていた。













「俺は、ユーシィに…」







―――パアァァァ…














ケイの声はゲートの光と音に遮られ、そこで途切れたのだった。




最後の都市へ向けて、扉を潜る。


彼らの旅も、終わりに近付いていた。








―第4章 完―



⇒あとがき

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あきゅろす。
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