【AA】double ace 守るべき約束 ファーヌの高々とした笑い声に、観客は拍手を送る。 檻の中のユーシィは、急降下の衝撃で気を失っている。 ケイは急いで彼女の檻に近寄ろうと試みた。 だが、マリーがそこに立ちはだかる。 マリーは鋭い牙を向けて、ケイに襲い掛かかった。 「くっ…」 先程の不意打ちでダメージを受けたケイは、少し鈍った動きで、なんとか攻撃を避けていた。 ディクセンはそんなケイに叫ぶ。 「おいケイ!さっきの自信はどうした!!何してるんだ!!」 「うるせぇっ!このトカゲが邪魔なんだよっ!!」 「ならば破壊の力を使えばいいだろうっ!?」 ケイがこの勝負が始まってから一度も破壊の力を使わずに体術のみで戦っていた事に、ディクセンは気付いていた。 以前の喧嘩早いケイならば迷わず力を使っている筈なのに…――― ふらついて思うように戦えないケイに、ディクセンは力を使うように促す。 「その体じゃ無理だ!力を使えケイ!!」 「絶対使わねぇ…」 「何を意地になってるんだっ!?」 その問いにケイは唇を噛み締め、力を振り絞って答える。 「――…約束したからだっ!!」 ケイは空高く飛び上がりマリーの顔面を思い切り蹴り付けた 突然の反撃にマリーは怯み、呻きながら後退する。 「約束…したからだ…」 [前へ][次へ] [戻る] |