【AA】double ace ファーヌのルール ユーシィの向かいの椅子にアレイが座り、ケイはベッドに腰掛けた。 そして、アレイは静かに話し出す。 「この都市はファーヌによって支配されている。 ファーヌのルールは都市のルール…これに従わなければならない」 「じゃあこのまま諦めろって言うのかよ!?」 「そうは言っていない。 第一、そんな理不尽な[夢神子]に付いていく民などいるものか」 「何か方法があるの?」 ユーシィは神妙な面持ちで問い掛けた。 アレイは仮面の奥でフッと妖しげに笑う。 「ファーヌは[夢神子]であり、<ジャッジメント>のオーナーだ。 つまり、カジノの景品としてフィロワを取り返せばいい」 「け、景品!?」 ケイは目を丸くして、思わず立ち上がった。 「ファーヌとて経営者だ。客が欲しがればそれなりの品を用意する。 …たとえ、人だろうとな」 「なんてオーナーだ…」 「でも…それしかディクセンを取り戻す方法はないのよね」 不意に、ユーシィが椅子から立ち上がった。 突然の行動にケイはユーシィを見る。 「ケイ、やりましょう!ディクセンを取り戻すチャンスよ!!」 「本気かよ…」 張り切るユーシィと呆れるケイ。 そんな二人を見て、アレイは溜息をついた。 「…話は最後まで聞け。 景品を獲得する為には、ファーヌに打ち勝つ“運”と、それ相応の“代価”を要するんだ」 「“運”は分かるけど…“代価”って何だ?」 ケイは首を傾げる。 「カジノは賭博場だぞ…。 まさか何も賭けずに景品を手に入れらると思ってないだろうな」 アレイの言葉にユーシィは「うっ…」と図星の表情を浮かべ、肩を落として椅子に腰を下ろした。 [前へ][次へ] [戻る] |