【AA】double ace 恐いか 「…インガ」 ふとマオがインガを呼び、ケイを横目で見る。 「ああ…そうですね」 マオの言わんとする内容をインガは理解したのか。 ケイに歩み寄ると、いきなり腕を引いて部屋の外に促し始めた。 「そういえば、ケイにはまだガノッサを案内していませんでしたね」 「は?何だよ突然、いいよ今は…」 「ダメですよ、【カイザー】ならちゃんと見定めて下さい。 ガノッサには色んな歴史文化財がありますから♪」 あまりにも不自然に、無理矢理ケイを引きずって行くインガ。 「おい、ちょっ…ユーシィは!?」 「えっ…私は」 「ユーシィは安静にしていなければならないからな。 俺が付いているから、遠慮なく行ってくるといい!」 マオはそう言ったが、既にケイはインガに連れられ見えなくなっていた。 遥か遠くで 「引っ張んな!!」 というケイの声が小さく聞こえる。 どうやらインガにはあらかじめ、ケイを連れ出すように頼んでおいたらしい。 ケイとインガが完全に立ち去ったのを確認してから、マオはユーシィに本題を切り出した。 「ケイが、恐いか?」 「…っ!」 その言葉に反応し、ユーシィは顔を上げる。 マオは困った様にユーシィに微笑みかけていた。 [前へ][次へ] [戻る] |