【AA】double ace 【カイザー】の恐怖 『ユーシィ!!!!』 マオを庇って腕から血を流すユーシィの姿が、其処にあった。 ケイは迷わずユーシィに駆け寄ろうとするが、男達に阻まれてしまう。 「朱い髮と翡翠の瞳を持つ破滅の使者【カイザー】か…。 お前も一緒に討ち取ってやる!!」 「――…邪魔だ、退け」 怒りからか、苛立ちからか。 いつもより低い声でケイは言った。 「ここへ来たのはガノッサを破壊する為か! ならば貴様をここで返り討ちに―――…っ!?」 『邪魔だって、言ってるだろうが…!!』 物凄い殺気が、刺客に向けられた。 ――バチバチバチッ!! 体の周りに凄まじい電流を纏い、鋭い眼光で男達を睨み付ける。 「ひぃっ!!何なんだこの力は!?」 その圧倒的な力に男達は怯み、思わず後ずさる。 「お前らは…関係ない奴まで巻き込みやがって…っ」 その翡翠は今までに見た事のない憎悪で満ちていた。 両手に力を溜め、ゆっくりと一歩ずつ男達に歩み寄るケイ。 ユーシィはその様子をうっすらとした目で見ると、力なく手を伸ばす。 「やめ…て…っ」 だがユーシィの声も手も、ケイには届かない。 「死んで、詫びろ」 ケイの掌が、男達に向けられる。 ――…そして。 「ケイっ!!やめてぇーーーーっ!!!」 [前へ][次へ] [戻る] |