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「たしかなものは 闇の中」※BL
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「…」

 新一は何も言わず、身を屈めて自分の靴を脱がす平次を見つめ続ける。

 新一の靴を脱がし、ぴっちりと肌に吸い付く靴下も器用に脱がせた平次は、
 新一の足をうやうやしい手つきで持ち上げると、その爪先に唇を寄せ、
 キスをする。

 ついばむようなくちづけを繰り返す平次を背後に肘をついて見ていた新一だったが、
 触れるか触れないかのくちづけをしながら、薄手の長袖Tシャツを脱ぐ平次を見て、
 ため息と共に体の力を抜き、ベッドに全身をあずけた。


 ホテル独特の、柔らかい明かりの中に、
 平次の浅黒い上半身が浮かび上がる。


「なんや、抵抗しいひんのかい」

 キスを止め、無抵抗にベッドに横たわる新一の上に覆いかぶさった平次は、
 顔を背けて自分を見ない新一に問いかけた。


「…」


 無言。
 その表情を見ても、
 怒っているのか、呆れているのか…
 何を考えているのか分からない顔つきをしていて、
 やる気満々だった平次の気分が、若干削がれる。

「なんや、大人しいからやってもかまへんかと思ったのに」

 そういう気分じゃないのか?と言うように瞳を覗き込む平次を、
 新一は目だけ動かして見る。



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