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『No pain,no gain』
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 早朝。


 平次の隣に並び、歯を磨いていたコナンのケータイがふるえた。

(! 博士?)

 急いで口をゆすぎ、通話ボタンを押す。
「もしもし、博士?」
『た、大変じゃ〜!!』
 キーン…と耳鳴りを起こしてしまうような大声に、思わずケータイを耳元から離して片目を閉じる。

(なんや?)

 阿笠博士の大声は、側にいた平次の耳にも届き、
 歯ブラシを口にくわえたままコナンの方へ身を寄せる。

『と、と、と、とにかく一度帰ってきてくれんか!
 わしゃもう、どうしていいんか…!!』
「落ちつけよ、博士。 そんなんじゃ分かん」
『おとうと…』

(…弟…?)

 息も絶え絶えな声色が、呟くようにそう言ったのを聞き咎めて、コナンは胸の中で繰り返す。
 無言になった博士の声を聞き取ろうとさらに身を寄せてきた平次との間に、
 ゴクリ、と息を飲んだ博士の声が響く。



『新一の弟と名乗る少年が、
 訪ねて来たんじゃよ……!!』







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あきゅろす。
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