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『No pain,no gain』
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 自分の想いに深く沈みかけた、その時。




  ジリリリリリ!




「!」

 事務所の電話が突如けたたましく鳴り出し、
 我に返る。

 コナンは瞬時に自我を取り戻し、
 背伸びをしながら受話器に手を伸ばした。

「はい、
 毛利探偵事務所です」
『…コナン君?』


(――…蘭)


 声のトーンに、
 暗を含まない やわらかな声。

 意識のないまま、
 強張るように力が入っていたコナンの肩から力が抜け、
 安堵の息が漏れる。

「蘭ねえちゃん。 どうしたの?」
『え? うん、ちょっとお父さんに言わなくちゃならないことを思い出して…
 って言うより、コナン君?』
「なに?」
『なに、じゃないわよ〜!
 そっちに着いたなら、どうしてもっと早く連絡してくれないのよ!
 心配するじゃない!』
「ご、ごめんなさい」

 受話器から漏れるほどの大声に思わず顔をしかめたコナンは、
 反射的に謝る。

『…まぁいいわ。
 ところでコナン君、お父さんは?』
「ぼくもどこに行ったか、探してて…
 やっぱり蘭ねえちゃんも知らないの?」
『うん。…でもそうか、お父さんいないのね。
 だったらコナン君』
「へ?」
『お父さんが帰って来たら伝えてくれる?
 わたしがいないからって、顔も洗わず外に出たりしないでって!
 ほっとくとお父さん、歯も磨かないで麻雀しに出かけちゃうんだから!』

(…は、ははははは)



.


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あきゅろす。
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