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共に歩く未来へ想いを馳せて(慧)





 貴方と出会った、あの桜の季節を、
 幾度共にすごしてきただろう。


 あれから…

 慧君は、研修課程を終了した後、
 持ち前の優秀な頭脳とそれに甘んじ
 ない努力の積み重ねで、エリート街道
 を順調…どころか、異例の早さで
 まっしぐら!!


 本人はまだまだだって言うけれど、
 お父様のような警察官になれるのも
 そう遠い未来じゃなさそう。


 私もずっと教師を続けている。
 あの頃よりは大分頼りがいのある先生に
 なれたつも…り?


 そう慧君に言えば、


 『確かに頼りなかったが、あの頃も
 真奈美は立派に先生だった。』


 と、彼らしい褒め言葉(?)が帰って
 きて、嬉しかったのを覚えている。


 共に支え合い
 共に励まし
 夢に向かい
 歩き続けた。


 時には傷付け
 涙した日々もあった。


 それでも
 これからの人生を
 二人で一緒歩いていこうと
 誓ったあの日


 私と慧君は、家族になった。


 そして…



 「ただいま〜。」
 「お帰り、真奈美。」
 「わ、慧君今日は早かったんだね。
 ごめんね、すぐお夕飯の支度するから
 。」
 「あぁ、急がなくて構わない。
 僕も予定より早く帰ってきたから。」



 出迎えてくれた慧君に申し訳なさそう
 に声をかけ、リビングに荷物を
 放置すると、パタパタとスリッパの
 音を響かせ、キッチンにむかった。



 「いつもより帰りが遅かったようだ
 が、またClassXが問題でも?」
 「あはは〜今の子達は大人しいものよ。
 今日はちょっと寄るところがあって
 遅くなっちゃっただけ。」
 「そうか。真奈美は生徒の事になると
 一生懸命すぎるぐらいだからな。」



 少し妬けてくる、と冗談混じりに言う
 彼の気遣いが嬉しい。
 料理を作る手を止め、リビングの
 ソファーで新聞を読む彼の隣に
 ちょこんと座った。



 「ん?どうかしたのか?」
 「うん…」



 彼に伝えなければいけない。
 落ち着かない心臓を押さえつつ
 彼と向き合う。



 「本当は、後でゆっくり話そうかと
 思ったんだけど……」
 「あぁ、何かあったのか?」
 「今日遅かったのはね、病院に
 よってたからなの。」
 「病院?!どこか具合が悪いのか!」



 今にも絶対安静を言い渡しそうな彼に
 違う違うと笑いながら見せたのは、


 一冊の母子手帳。


 不思議そうにそれを見ていた慧君が
 その意味に気付けば勢いよく
 立ち上がった。



 「今、八週目から九週目に入った所
 ですって。順調に大きくなってますよ
 って言われるとやっぱり嬉しいね。」



 そう言い、彼を見上げて照れ臭そうに
 笑う。



 「本当はもっと早く話したかったん
 だけどね、慧君も忙しそうで…
 っきゃあ!!」



 急に抱きしめられたかと思ったら
 そのまま抱き上げられる。



 「ちょ、ちょっと慧君下ろして〜!
 落ち着いて〜〜〜!!」
 「これが落ち着いていられるか!!!
 ははっ!凄いぞ、真奈美!!」
 「きゃぁ〜そのまま回らないで〜!!」



 いつもの彼らしからぬはしゃぎっぷり
 に私も声を上げて笑ってしまう。



 「もう…嬉しすぎて、なんと言って
 良いのか解らない。…ありがとう、
 真奈美。ありがとう。」
 「…慧君。」
 「僕はまだ男としても、夫としても、
 未熟なところがあると思う。これから
 今まで以上に真奈美を幸せにしてみせる
 と誓う。…僕達の子供の為にも。」
 「……うん、私も慧君と…
 この子達の為に…もっと頑張るね?」



 二人、見つめ合い
 そして笑い合う。


 ゆっくり歩いてきたこれからの未来に
 また新たに家族が加わって
 今日はその、新な一歩。


 どんな未来が待ってるか、
 想像もつかないけど。
 それはきっと、
 今まで以上に幸せなことだと思うから


 これからも
 ずっと、ずっと
 貴方と共に……。






 
   


(お医者様がね、双子かもしれないって)
(!!ほ、本当か!)





 双子ちゃんが産まれた暁には、
 那智おぢちゃんに、

 『ほ〜らパパでちゅよ〜』

 とやらかして慧に怒られるといい(笑)



 …と、言うことで。
 改めまして、ここまで読んで下さって
 ありがとうございます。
 好き、スキ、大好き参加作品です
 このような素敵企画に参加させて
 いただき嬉しく思います♪

 参加当初は、慧か那智かで迷ったの
 ですが、慧ならば立派な親バカにやる
 だろうと決定。
 那智は子供と真奈美ちゃんを奪い合い
 そうですね(笑)





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