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人類最強
朝だ。
人類最強の我が家の1日はいつも俺が鳴りだした目覚まし時計を木刀で叩き壊すと始まる。
服を全部脱いで水泳ゴーグルだけ付けて食卓へと側転で降りていく。
食卓につくと白眼をむいてよだれをたらしながら「残り二センチ!残り二センチ!」と親に朝飯をねだる。
裸にエプロンの父親が「そこっ!落ちろ!」と叫びながら俺の大好きなペディグリーチャムを俺の顔面にマサカリ投法でしかも変化をつけて思いっきり投げつける。美味しい。
すると妹が降りてくる。何故かスクール水着だ。彼女も体をひねりながら「わたくしはエロカワイイでございます!わたくしはエロカワイイでございます!」と飯をねだる。
彼女の前にスーツ姿に吉野屋の帽子をかぶった母親が綺麗なムーンサルトを決めつつ「へいらっしゃい!」と吉野屋の豚丼(並)を出す。七味がビン一本分丸ごと入ってやがる。ひでえ。
しかし妹は平気でそれを食う。しかもよく見たらタバスコをかけている。
俺は改めて我が家が人類最強だと実感する。
その頃になると姉が兄と日本経済について議論しつつホフク全身で現れる。
二人も「バルス!ほらバルス!」と飯をねだる。
彼らにはうまい棒(チョコ味)が1200本ほど降り注ぐ。
二人は「ヤバい!年金制度改革だ!」と叫びそれを拾って嬉し泣きしながらむさぼり食う。

そして俺は三輪車、母親はセグウェイ(だいたい後で捕まる)、妹はキックボード、姉は兄に乗ってそれぞれ学校や会社へ出かける。
父親は出かけない。何故なら人類最強の無職だからだ

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あきゅろす。
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