BLEACH(京楽×浮竹、海燕×浮竹、白哉×浮竹)
封印の開放(原作沿い 双極破壊前)


ルキアの死刑執行の為に双極の開放がされた

清音は慌てて扉を叩き、中にいる浮竹に声をかける

「隊長!まだですか!?朽木さんの処刑が始まりました、急がないとっ・・・!」

すると少ししてギィと音を立てて重たい扉が開かれた

開かれた扉から冷気にも似た浮竹の霊圧が流れ出てくる

「隊長・・・」

清音は思わず息を呑んだ

「待たせてすまない、ちょっとばかり封印の解除に手間取っちまってな」

双極を破壊するための宝具を手に持って出てきた浮竹の顔には疲労の色が滲んでいた





数日前、双極の破壊を決めた浮竹は全てを京楽に打ち明けた

「頼む、京楽。手を貸してくれ・・・もう二度と、大切な部下を失いたくないんだ」

浮竹の真剣な表情を見た京楽は力強く頷く

「大丈夫。君の気持ちは分かってるし、僕も手伝うから」

「ありがとう、京楽」

浮竹は京楽の優しさに心から感謝した

「それで、双極を破壊するって具体的にどうするの?」

「四楓院から聞いたのだが、四楓院家には双極を破壊する為の宝具があるらしいんだ」

それは代々、天賜兵装番である四楓院家のみに伝えられてきた宝具だった

「へぇ、そんなものがあるなんて初耳だね」

「だろうな。双極を壊せる宝具があるなど、易々と知られるわけにはいかんからな」

浮竹の言葉にそれもそうか、と京楽は納得する

「その宝具は長い紐と盾で出来ていて、紐で双極の鉾である燬王を縛り、盾に刀を差し霊圧を込めることで燬王自体を破壊するものだそうだ」

「燬王自体を破壊とはまた随分と派手だねぇ」

「斬魄刀百本分とも言われる燬王の破壊ともなれば相応の霊圧が必要になるだろうが・・・まぁ、俺とお前なら問題ないだろう」

浮竹の霊圧は病の身体を霊圧で支えているだけあって護廷十三隊の中でも群を抜いている

京楽も浮竹ほどではないが、霊圧の高さは他に引けを取らない

その二人が霊圧を込めるなら燬王の破壊は容易いことのように思えた

「ただ、四楓院が言うにはその宝具には厳重な封印が施されていて解除には莫大な霊圧が必要になるという。本来は数名で時間をかけて解除するらしいから、解除には少し手こずるかもしれん」

「一人で大丈夫なの?」

「ああ。俺を信じて待っていてくれ」

その真っ直ぐな瞳に、京楽は浮竹の意志の強さを感じた

「僕はいつだって君を信じてるよ」





そして、処刑当日、浮竹は四楓院家を訪れた

部屋の外に仙太郎と清音を待機させて、封印の間へと入る

「これが、双極を破壊する宝具か・・・」

掴もうとして手を伸ばすとバチッという音とともに電流が流れた

「まずは結界か」

霊圧を結界に向けて放つと、結界自体は難なく壊すことができた

「さて、封印の解除だが、どうも一筋縄ではいかないみたいだな」

封印解除のために霊圧を開放すると突然、周りが真っ暗になる

(何だ、ここは・・・)

部屋から出た覚えはないので、おそらく宝具の内なる世界だろう

「ここに何をしに来たのですか?」

不意に声が聞こえた

「君が宝具の封印か?」

「ええ、私はこの宝具を守るもの。簡単には渡しませんよ」

「こちらにも時間が無いんだ。悪いが早めに済まさせてもらう」

浮竹は自身の霊圧を放出するとそれを宝具に向かって放った

「なるほど、確かに並外れた霊力をお持ちのようですね。ですがいつまでそれがもつか・・・あなたと私の我慢比べといきましょうか」

どれくらいの時間、霊圧を放ち続けているだろう

いくら膨大な霊圧があるとはいえ、流石の浮竹も限界が近かった

もともと病の身体を支えるための霊圧だ。それを放ち続ければ自ずと自身の体力が削られていく

「はぁはぁ・・・」

「随分と、辛そうですね」

そう返す宝具の封印も注がれ続ける大量の霊圧に顔を歪めていた

「どうしても君が必要なんだ。朽木の処刑を止めるために・・・ゴホッ!ゴホッ!」

「どうして人のためにそこまでするのですか?」

「大切な部下だから、死なせたくない・・・!」

そう言うと浮竹はさらに放出する霊圧量を上げた

「っ、・・・おやめなさい。あなたの身体はもう限界でしょう」

「それでも、諦めるわけにはいかないんだ!」

真っ直ぐな浮竹の目に、ついに宝具が諦めたように優しく笑みを浮かべた

「分かりました。貴方に力を貸しましょう」

「本当か!ありがとう」

礼を言うと浮竹は霊圧の放出を止めた

だが、浮竹はその途端に屈み込んで苦しそうに咳き込みだす

「大丈夫ですか?私を使うのにも相当の霊力が必要になるのですよ?」

「・・・ああ、・・・分かっている・・・ハァハァ・・・それでも、・・・」

その姿に宝具はご武運を、と声をかけ自らの封印を解除していく

瞬間、辺りが光に包まれたかと思うと浮竹は元いたところに戻っていた

手には封印解除された宝具が握られている

扉を叩く音と清音の声が聞こえ、浮竹は扉を開けた

「待たせてすまない、ちょっとばかり封印の解除に手間取っちまってな」


だが、これで行けるーーー!


浮竹は処刑を止めるため、力強くその一歩を踏み出した





fin.



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