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蛇足

「………そうだな、とりあえず彦坊」

「なに?池ちゃん」

「俺がいいと判断するまでは……絶対に楓にエッチとかキスとかすんなよ。あと言うのも駄目だ」

「うぇー……」

明らかに不満そうな彦星。

やはりヤる気満々だったようだ。

「楓に嫌われてもいいのか」

「……だめ」

「だろ?だったらキチンと俺の言う事を聞け。いいな?彦坊」

「わかった、じゃあオレは池ちゃんにOKもらえるように楓ともっと仲良くなる」

「あぁ、そうしろ」

蛭池がそう頷いた瞬間。

彦星の耳がピクリと動いた。

そしてしばらく黙っていたかと思うと急に立ち上がり笑顔になった。

「楓が帰って来た!」

「なんか音したか?」

「した!玄関開く音がした!池ちゃん、オレ行ってくるな!」

彦星はそう言うや否や蛭池の部屋を飛び出していった。

「まるで犬だな」

蛭池はそう呟くと、イチゴミルクに口をつけた。

中身はもう空だった。







その後、蛭池がイチゴミルクを買いに玄関へと降りていくと


そこには帰って来た楓に一生懸命抱きつく彦星が居た。

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