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蛇足

「いいのかって……どういうこと?」

楓はポカンとしてよしおを見つめた。
その質問によしおは眉間にシワをよせる。

だから怖いってば!

「………お前が俺みたいな柄のワリィのと友達だって思われても良いのかって事だよ!」

そう言ってよしおはフイと顔を背ける。

驚いた。
正直かなり。
真面目な上によしお君て

「……謙虚だなぁ」

「は?」

「いや、なんでもない」

よしお君は見るからに不良で、街を歩いたらきっと一般人は彼を避けて通るであろう。

それにTSUTAYA学園でもよしおはキレやすいだの何だのと不良達の間で噂になっている。

あのTSUTAYAの連中からそんな噂がたてられるくらいだ。

きっと彼自身本当にキレやすい生徒なのだろう。

俺も一番最初にパシられようとしたし。

しかし目の前に居る彼はどうだ。

律儀で
真面目で
照れ屋で
謙虚で
優しいではないか。

キレやすいなんで彼のほんの一部でしかなくて、本当は凄く良い奴なのだ。

しかも先程のセリフからして自分が周りから一体どう思われているかも、きちんと理解しているようだ。

少なくとも俺の周りの誰よりも常識がある。

そう彼は


常識人なのだ。

俺がTSUTAYAに入学して存在を諦めかけていた人種:常識人。

そんな人間が今目の前にいる。

ぶっちゃけダイヤモンドより希少価値が高いぞ!!


俺は余りの嬉しさと感激にガシリとよしお君の手を掴んだ。

「よしお君!!」

「っ?!なんだ?!」

「こっちからお願いするよ!よしお君さえよければ……友達になってくれないかな?!」

楓は目の前に現れたダイヤモンド以上の希少価値を誇る常識人よしおを離すまいと必死な目でよしおを見上げる。

「〜〜〜っ!!」

よしおはまたもや顔を真っ赤に染め上げる。

「友達になろう!よしお君!!」


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