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蛇足

「てめぇ!さっきから見てりゃあババァの事見ては赤くなりやがって!この熟女趣味が!」

熟女趣味

突然よしおの口から飛び出して来た予期せぬ単語に、楓は軽く目眩を覚えた。


「……熟女趣味って……違う!決してそんな気持ちでよしお君のお母さんを見てたワケじゃ……」

楓が目眩をおぼえながらも、必死によしおに弁解するがよしおの勢いは止まらない。

「嘘つけ!ババァがテメェの事見るたび顔赤くしてたじゃねぇか!何だ?!テメェは熟女好きの熟女キラーか?!」

「違うってば!つーか、熟女好きって言うな!」

楓はよしおの余りの剣幕と熟女の連発に、先程まで赤くしていた顔を真っ青にさせて反論した。

「熟女好きに熟女好きっつって何がワリィんだよ?!このムッツリ熟女好きが!!」

「だからっ!熟女好きじゃない!俺別にそんなつもりじゃ……!それにムッツリとか今更掘り返すな!」

顔を真っ青にして必死に反論する楓。

それに対してひたすら眉間にシワをよせ、怒鳴り散らすよしお。

端から見れば、不良に絡まれる哀れな少年の図の完成である。

まぁ、言い合っている内容は小学生かとツッコミたくなる程、程度の低いものであったが。




その後しばらくの間よしおと楓の言い争いは続いた。

その時間約30分。

さすがのよしおも疲れてきたのか、肩で息をしながらギロリと楓を睨みつけた。


まだ何か言う気か。


楓はびくりと体を震わせ、よしおの次の言葉に構えた。

よしおが一度キレると止まらない事は噂で聞いていたが、楓自身ここまでだとは思ってもいなかった。

そうなのだ。

よしおはキレやすい事でも有名であったが、一度キレると手に負えないという点においても非常に有名で、TSUTAYAの新入生史上最も面倒な生徒の1人なのであった。

それ故、ケンカをしている時のよしおはほとんど理性というモノがぶっ飛んでしまっている。

それは今まさに行っている楓との口喧嘩でも同様で、よしお自身、自分が今一体何をどう叫んでいるのかよくわからなくなっていた。

そのせいだろう。

次によしおの口から放たれた言葉に、最もおどろいたのは他でもない




よしお自身だった。

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あきゅろす。
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