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蛇足

自分がクラスでどう思われているか。

そんな事は普段のクラスメイト達の自分への態度を見ていればすぐにわかる事だ。

だいたいこの学校に自分のような一般人が居る事は場違いなのだ。

異質なのだ。

自分でもそんな事は十分理解している。

しかし理解しているからといって異質な存在である事には変わりないわけで。

だから、影でこのように言われるのは至極当然、当たり前の事なのだ。

ただ、実際に言われている現場に立ち会わせるというのは少し、いやかなりいたたまれないものである。

冷静なふりをしても、
平気なふりをしても 、
自分が他人からどう思われているのか直接聞くのは怖い。

楓の手は微かに震えていた。


『お前……何そんなにムキになってんだよ?!』

『そーだぜよしお!所詮お前だってアイツの事パシリくらいにしか思ってねーんだろ?』

『それか同情ってやつか?お前たまにそういうとこあるからなー』

『黙れっつってんだろ!このクソ共が!』

再び鳴り響く破壊音。

今度聞こえたソレは先程の比ではなかった。

下手するとこれは机か椅子を破壊したな、そう楓は音から判断した。

よしおは怒っている。

自分なんかの為に。

普通ならここは一緒になって楓の悪口を言ってしまう所だろう。

やっぱりよしお君は律儀だな。

楓は震える手を握り締めながら苦笑した。


『お前ら……さっきから聞いてりゃウゼェんだよ……』

『は?』

『よしお、お前…マジ何なんだよ?』

『お前らはアイツの何を知ってんだよ?』

急に落ち着いた口調で話し始めたよしおに楓は息を呑んだ。


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