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蛇足

「だから俺はよしお君のそういう所、すごくいいと思うよ?」

全く、俺の両親に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいにね。

楓がそう言ってよしおをチラリと見上げると、そこには目を丸く見開いてこちらを見ているよしおの姿があった。

しかも次第にその顔は真っ赤に染まっていく。

「〜〜〜っ!」

わぁー。よしお君顔真っ赤だー。

って!

なんで?!

何故にそこでせんなに照れる?!

俺か?

俺が誉めたからか?!

よしお君て照れ屋なのか?!

不良で照れ屋ってどんだけ純情なんだよ。

まったくかわいい奴め。

「うん、よしお君はすごく友達想いの優しい奴だよね。俺はそういう奴好きだよ。」

「〜〜〜〜っ!」

更に真っ赤になるよしおに楓は調子に乗って次々とよしおを誉めまくった。

しかし、それは全て実際楓が思った事であり、決してお世辞などではなかった。

「それによしおくんて「うっせー!黙れ!」

更に口を開く楓に、よしおはとうとう口をはさんだ。

顔は真っ赤なままで。

「それ以上言うな!それ以上言ったらただじゃおかねぇからな!」

うん。
いくら俺でも顔が真っ赤なまま凄まれても全然怖くない。

むしろ面白い。


しかし、余りの顔の赤さに可哀想だと感じた楓はそれ以上何も言わなかった。

「……お前さ、言ってて恥ずかしくねぇのかよ?」

「恥ずかしくなんてないよ。全部ほんとの事だからね」

そう言って楓がにこりと笑ってやると、よしおは楓からサッと顔をそむけた。

しかし、やはり耳だけは真っ赤に染まっている。

「(今のは不可抗力だよな?!つか、よしお君も照れすぎだろ……)」

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