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蛇足
ラブ・コール

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「おい、お前になら出来るよな?堀田彦星をこの生徒会に呼び込むくらい」

頭上で響いたそのハッキリとした言葉に、楓はゆっくりと顔を上げ道明を見据えた。

「ええ、できますよ。俺が言えば彦星は、きっとこの生徒会に入ります」

「ほぉ、そりゃあ大した自信じゃねぇか」

楓のキッパリとした返事に道明は気を良くしたのか、ニヤリと笑みを浮かべた。

しかし、そんな道明とは裏腹に、楓の態度は淡々としたものだった。

「でも……彦星を生徒会に入れたからと言って、1年をまとめるのが万事上手くいくなんて思わない方がいいですよ」

「なに?」

勿論、すぐに彦星を引き入れるという言葉を楓の口から期待していた道明は、楓の予想外の言葉に眉を潜めた。

「先輩、いくら彦星が強くても、俺達1年はまだ互いに出会って3ヶ月足らず。そんなに一人を支持してついて行こうとする程、みんな彦星に信仰心はないです」

「はっ、だからそんな時の為に蛭池もコッチに引き入れたんだろうが「言っときますけど……」

楓は道明をしっかりと見据えると、ハッキリ言った。


「蛭池君……彼、何もしませんよ」

「……ヤツは居るだけで力に……」

「居もしませんよ」

「……何だって?」

「だって蛭池君は……」



学校が終わればすぐに


家に引きこもって彼女とのラブコールに忙しいんですからね

「………………」


そう叫んでやった時の道明の表情に、楓は思った。



ほら、個人を動かすのすらこんなに難しい。

だから、集団はもっとやっかいなんですよ。


先輩。

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