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Ｍystery
Ｍ君
Ｍ君のお葬式に行きました。
彼女のＫちゃんは棺の前で泣き崩れ、お母さんはうなだれてました。
ラウンジのママも来たのですが…
黒のスーツはいいのですが、ボタンが金…
店用のスーツってまるわかりです。
しかもその日にＭ君の店の飲み代のツケを払ってほしいと母親に言ったらしいのです
若い私でも、あんまりにも非常識だと感じました。

何日かして、Ｋちゃんと会ったのですが…
｢Ｍ君が出てくるねん…｣
と言うのです。
彼女のこと未練なんかなぁ？と思いましたが…
なんと、ラウンジのママも見たと言うのです。
ママが部屋のベッドに横になっていて起きるとドアの前に立っていたらしいです。
まぁ、ママは葬式の非常識な行動からして、恨めしく思ってたのかもしれません。
すると同じ店で働いている私の親友のＩちゃんが
｢次は私の番や Ｍ君は知り合いのとこに挨拶に回ってるんや｣
と怯えてました。


それから数日後、Ｉちゃんから電話がかかってきました。
｢愛ちゃん!すぐ来て!｣
と、すごく慌てた声でしたから、原チャリで10分くらいのＩちゃんのアパートに急いで行きました。
｢どうしたん｣
｢で…電球が、いきなり割れてん｣

Ｉちゃんの部屋はﾜﾝﾙｰﾑで奥に長い造りになっていて、日当たりが悪く昼でも暗いんです。
天井に普通の蛍光灯が一つ付いていて、部屋の真ん中あたりの壁に、電球タイプの灯りがあるのですが、その電球が『パンッ』と割れたんです。

普通、電球が切れる時は、電球の中が切れますよね？
部屋の真ん中で水気もないから、電球のガラスが割れるのは確かに不自然…

｢Ｍ君が来たんやわ……次は……愛ちゃんのとこやで｣

∑｢まぢっ｣



どうやら私は気にもされてなかったようで…Ｍ君は来ませんでした
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