※都合のいい女
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─────‥‥。
ベルトで縛られていた両手は解放された。
でも指輪はそのままだ。
タカノリはリエの体中にキスをしている。
(また始まる‥‥)
そう覚悟したリエはゆっくり目を閉じた。
「マサノリとどーやって知り合ったの?」
【マサノリ】の言葉にハッと目を開けたリエ。
「居酒屋で会ったの‥」
「マサノリと付き合ってるワケじゃねえんだろ?」
「‥別に‥‥」
「だってアイツずっと一緒に暮らしてる女いるもんなぁ」
「‥!」
(やだ‥やめて聞きたくない)
(でも‥でも知りたい‥)
「俺がアイツに電話した時もリエの事『ただの飲み友達』って言ってたし」
「‥うん」
「まだ女と暮らしてるっぽかったし。もうなげーよな確か。」
リエは胸が張り裂けそうだった。
一番知りたくて一番知りたくない事を、まさかタカノリの口から聞かされるとは思わなかった。
信じられない、信じたくない。
けどそれが現実。真実。
(私はやっぱりただの『セフレ』)
(ヤリたい時に呼べばヤレる都合のいい女なんだよね‥‥)
リエは夢から醒めた気がした。
リエの中で何かが泡のように消えていった。。。
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