捧げ物
1
藍楸瑛と李絳攸が彩雲国国王・紫劉輝に花菖蒲にかけて忠誠を誓ってから
暫くのこと―――
この日楸瑛と絳攸はある一軒の屋敷に引越して来ていた。楸瑛は藍家から勘当されたため住むところがなく、絳攸は劉輝に忠誠を誓った以上は黎深の傍にはいれない、ということで2人一緒に住むことになったのである。
「おい楸瑛、これどこにおく?」
「そうだね…それは――」
というふうな具合でちゃくちゃくと―――はいかない。(会話を聞くだけだったらちゃくちゃくいってそう)なんせ2人だけで引越し作業をしているのだ(人件費節約の為。今の2人は以前より貧乏)。そんな簡単には物事は進まない。まだごちゃごちゃだ。
「くーっ!疲れた〜」
「そうだね、流石に疲れてきたね」
文官の絳攸は中々力仕事をしないので直ぐに疲れてきてしまった。ちなみに武官の楸瑛はまだ体力に余裕はある。
「この分だと今日中に終わりそうもないな…」
少し休憩した絳攸は溜め息をつくと作業を再開した。
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