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Gift

「きゃー!可愛いです絳攸様!!」

「嬉しくない…ッ!」


俺は今秀麗の屋敷にいる

女装で

どこで仕入れた情報か分からないが、いきなり呼ばれてこのザマだ

どうしても!と頼み込まれ断り切れずに再びしてし
まった

まぁ…可愛い弟子の珍しい頼みごとだし
致し方ないと言うか

前回は後宮の女官などが着ているきらびやかなやたら重い服を着せられたが、今回は城下でよく見られる一般的な着物だ
故に前回と比べるとかなりマシだ


「白にしようかと思ったんですけど。やっぱり絳攸様には紅が似合います!!」「…だから嬉しくない」


静蘭と邵可様が居なかったのがせめてもの救いだ

俺は椅子の上に胡座をかいて頭をガシガシ掻いた
髪が複雑に結われていて手が絡まりそうだ


「前回の絳攸様も見てみたかったです」

「やめてくれ。見せられる様なものじゃない」
「そんな事はないよ絳攸!!」

「うぉおッ!!」


バターン!と窓が開いたと同時に頭に葉っぱを付けた楸瑛が出て来た

一体何をしていたんだこいつは…ッ!!

「あらいらっしゃい、藍将軍」

「あぁ。お邪魔するよ」

「おい待て秀麗…そんな普通に受け入れて良いのか…!?」

「今お茶居れて来ますね」

「ありがとう、秀麗殿」


俺のツッコミは華麗に無視され、何ごとも無かったかの様にあははうふふと会話をして秀麗は茶を入れに部屋を出て行ってしまった

楸瑛は出て行く秀麗に手
を振り、窓から入って来ると俺の隣りに座わった

ジロジロと上から下まで見られて若干の恥ずかしさを覚える

「何だ!ジロジロ見るな!!」
「いやぁ、町娘系も有りかなって」

「やめろ気持ち悪い!!」

「可愛いよ」

「黙れ…ッ」

「しかしその格好で胡座ってねぇ」

「何か文句あるか」


楸瑛はこちらを覗き込む様に机に肘を付いて妖しく笑う


「誘ってる?」

「ば…ッ」

「しー。黙って」


グッと顔が近付いて鼻先
が触れ合う


「しゅ…え…」

「可愛いよ、絳攸」


唇が触れる…ッ


「お待たせしましたー。今日はお茶っ葉少し豪華にしてきました」


俺は楸瑛の顔面を鷲掴んでゴキッと無理矢理曲げ

次いでそのまま椅子から床に引き倒し楸瑛の背中に足を上げた


「…絳攸様…?」

「変態の撃退法を実践していたんだ…ッ」

「はぁ。…大丈夫ですか?藍将軍」

「く…び、が……」


「気にするな秀麗。さぁ茶を飲むぞ」

「あ、はい」



場所をわきまえずどこでも盛るからだ


楸瑛にしか聞こえないような声で言って俺は茶に口を付けた













「美味い」

「ありがとうごさます。後でその格好で一緒に買い物に行きましょうね絳攸様」

「………………」





















End


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