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短編

春のある麗らかな日、栄えある王の側近・藍楸瑛は左羽林軍でのしごきを終え王の執務室へ向かっていた。ふと庭院に目をやると桜が満開だった。

(こうゆう日こそ花見をしたり、ゆっくり昼寝したいな…)

と、ぐうたら考えながら歩いていたらいつの間にか執務室に着いていた。
執務室に入ると部屋には黙々と仕事をしている絳攸しかいなかった。

「ん?なんだ、楸瑛か」

「なんだ、って君ねぇ…。で?主上は?」

「いつもの様に邵可様の所へ行ったが」

そう受け答えしながらも絳攸は仕事を片付けていた。そんな絳攸を見ていた楸瑛はある提案をした。

「ねぇ絳攸、今日はいい天気なんだしこれから外で花を見ながら休憩しないかい?」

それを聞いた絳攸は楸瑛を睨みつけた。

「とうとう頭の花が腐ったのか、貴様は!この仕事量を見ればわかるだろう!休憩をとる暇なんかない!」

そう言い放つと絳攸は仕事を再開しようとした。しかし楸瑛は“その瞬間”を見逃さなかった。楸瑛は絳攸の右腕を掴むとその腕の裾をまくり上げた。

「………まだこの状態で仕事を続ける気かい?」

絳攸の右腕は酷使し過ぎて軽度の痙攣を起こしていた。



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あきゅろす。
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