『夏風邪はバカがひくっつーのは本当だったんだな』

ごほっごほっと咳き込みながら自虐ネタを言ってみる。

にしてもマジで笑えねえ。

喉はガラガラ、鼻はつまるわで息がまともにできない。


別に腹出して寝てたわけじゃねえのに、なんで風邪引いちまったんだろう…




ぼんやりと霞む頭にピピピピっと体温計の音が鳴り響く。

震える手で体温計を目の前に持ってくれば――

39.4度…


自慢じゃねぇが、俺は今までこんな体温見たことがない。


「長曾我部。大丈夫なのか?」

ベッドに横になる俺の顔を不安げに覗き込んでくる毛利。


『あ、…あぁ。大丈夫だ』

よほど心配なのか、せわしなく目を泳がせている毛利を安心させようと、俺は必死に笑顔を見せたんだが、ついには視界がぼやけはじめて…


「長曾我部!?」


あぁ、やべぇ…
マジで目の前がチカチカする…


『心配すんな、毛利。俺は大丈夫、だ…』


俺の意識はそこでプツリと途絶えた。

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あきゅろす。
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