main_10|09|20 不埒な思惑(天戦)

20000hit御礼小説。
それが恋の病なんて笑えないの続き、エロあり」
18歳未満閲覧禁止。
してるだけ。


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喘ぐ声が、時々猫みたいだった。みたい、というのはおかしいか。実際に彼は猫なのだから。
舌ったらずに上擦った声で喘ぐ。その声色が雌猫のそれに似ていた。そう思う度に、人の姿をした彼の頭から生えた獣の耳と、腰の辺りからふわりと揺れる尾を見て、俺は彼が猫なのだと言う事を思い出す。同時に言い知れない背徳感が背筋を襲って心地良い。


「っン、う」


増した質量に反応して、彼は肩を震わせた。赤く染まり、濡れて光る結合部に目を遣る。実によろしくない光景だった。
もしこれを、彼に見せたら、どんな反応を見せてくれるんだろう。鏡の前で、後ろから膝裏に手を差し込んで身体を抱えて、足を開けさせて後ろから犯して。そうすれば彼にもこれが見えるだろう。きっと恥ずかしがって、顔を真っ赤にして止めてくれと泣く筈だ。浅ましく反応する自分の身体を目の当たりにして、必死に隠そうとするんだろうか。想像すると更に股間に血が溜まる。…妄想の中の彼と現実の俺と、浅ましいのは一体どっちだろう。


「…戦人さん。ねえ」


痴態を見せ付けられている彼を想像しながら、目の前の、現実の彼の耳元に口を寄せる。角度が変わった所為か、彼の中が疼いた。
そのうち、鏡の前で彼を犯してやりたい。大きな鏡は部屋に置いてないから今度買って帰ろう。今はまだ、言葉だけで良い。彼を羞恥で震わせるのは。


「すごいですよ、あんたの…ここ、どうなってると思います?」
「あっ、う、…や、やだ、言わないで、…ふあ、んっ」


はらはらと涙を流しながら頭を振る。恥ずかしいと訴えるくせに、腰は強請るように揺れていた。それがまるで辱めてくれと言わんばかりの様で、思わず舌なめずりをした。もっと耳朶の近くに唇を寄せ、彼を辱める為の言葉をそっと囁く。小さな悲鳴が上がって、同時に中が締まった。

猫は春になると発情期が来るらしいが、うちの猫も例外ではなかったらしい。普段より反応のいい身体。ああ、いっそのこと一年中春だったらいいのに。馬鹿みたいな事を考える俺を咎めるかの様に、背中を強く引っ掛かれた。


「いて……」
「ふ、…っん、じゅうざ、あ、あア、ひっ…!」


結構痛い。ひりひりする。
爪が伸びてきているんだろうか。そのうち爪を切ってやろう。いや、むしろ、爪とぎ用に何か買って来た方がいいのか?
(…あー、…何でも、いい、か)

十三、十三と。繰り返し名前を呼ぶ口を、自分の口で塞ぐ。必死に応えようとしてくる舌を絡め取る。途端に思考は形を無くして、色んな事がどうでも良くなった。





不埒な思惑






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