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ちょっと待て、同じ部屋?(雲雀)

一室の真ん中にちょこんと一組の布団が敷かれている。
嗚呼、ふかふかしてて気持ち良さそう…。

でも問題は、そこに座って私を手招きしている人物であって…


「おいでよ、名前」


『なぜ此処にいらっしゃるんでしょーか、雲雀さん』


「僕の部屋だから」


『いやいや、今日此処で寝るはずなのは私ですが』


「奇遇だね。僕も此処で寝るんだ」


そう言ってチャラリと見せられる部屋の鍵。
あ、そういえば私は部屋の鍵持ってない…

「あ、名前の部屋は蓮の間だから」
『了解です、ボス。部屋の鍵は?』
「うん、もう開いてるから。鍵も中だと思うよ」
『あ、はい』


なんでソコで疑わなかったんだぁぁあ!
あんの腹黒ボス…!謀ったな!
雲雀恭弥がどんなに変態なのか知ってるくせにっ
六道骸といい勝負だよ!


『他にも部屋が空いてるハズ…それでは雲雀さんおやすみなさい』


「何処行くの?僕と寝るんでしょ?」


ギラリと彼の目と手元が光る。…あぁ、トンファーを握ってらっしゃる。
私は情けない事に恐怖で部屋から出られなくなってしまい、大人しく彼の前に正座で座った。

まさしくライオンに差し出された野ウサギ。

なんて可哀相な野ウサギ(私)…肉食動物(彼)は相変わらず私を何時喰ってやろうかという目を向けてくる。
さようなら…ボンゴレで来たバカンス。
さようなら…折角の休日。

どさり、と視界が反転して、相手の顔と天井が見えた時には諦めていた。
明日は近くの海水浴場に行くって言ってたけど、私は腰痛で泳げないんだろうなー…


あの時、腹黒ボスの策略に気が付いていたら何か変わっていたのかもしれないのに。











ちょっと待て、
同じ部屋?



例え一人部屋になっていたとしても、きっと肉食動物は私を食べに来るのだろう。



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