miracle world
04


「俺の事、好きやろ」
「!!!」
「目ぇ見てたら分かるで、ちゅーか、そんな反応されたらアホでも分かるわなぁ」

おそるおそる先輩を見上げる。
そこには本当に嬉しそうにはにかむ先輩の笑顔があった。

なんかこう、心臓がきゅーっとなる。先輩、こんなに可愛い顔するんだって。嬉しくてたまらなかった俺は先輩を凝視しながら無意識に手をぐーぱーぐーぱーしていた。

「ふはっ」
「な、な…」
「良かった……」
「せんぱい…」
「俺選んでくれて、ほんま良かった」

ぎゅっと抱き寄せられる。真っ赤になった頬にキスをされ、俺はもうこれ以上ないってくらいに更に顔を赤くする。


「かわええな」
「え、や、せんぱい、なんかキャラちがいます…!」
「俺、コイビトにはめっちゃ優しくするタイプやから」
「う…って、え!?先輩俺のこと好きなの!?俺もうコイビトなの!?」
「はあ!?お前俺があんどけしといて気付かんとか言わへんやろなあ?」
「いやいやいや色々されたけどあのそれは副会長はえろえろマシーンだし誰彼構わずアンアンするのかなって俺はてっきり」
「それはお前やろ!!お前ときたらホイホイホイホイゴキブリ取りみたいにいろんな奴引っ掛けおって……気が気やなかったわ」
「うっ、てか!俺まだ好きって言ってないですし、なのに、」
「でも、好きやろ?俺の事」
「……うぅ」
「で?もー他の奴はどうにかしたん?」
「や、あの、その、さっき一人、親友を、振らせて頂いたのですが…」
「ふぅん、そ」
「……あの」
「ん?」


あー、エロ。
何その顔、先輩そんな優しい顔できるの?蕩けそうだよ。むしろ蕩けてるよ俺。


「じゅー……ぷすぷす……」
「何なん、その独り言っ」

先輩は笑いながら俺の頭を撫でた。

「っ!あの、」
「だーから、なんやって?」
「あの、先輩、あともうちょっと待っててください…俺、みんなにも言ってきます、だから」
「おう」

「まだ、もうちょっと待ってて、好きで居てください…、心変わりしないでください、みんなにちゃんと言ってから俺の気持ち、先輩に言いたいんです」
「…お前、ほんまアホやな。そんな簡単にコロコロ心変わりするわけないやろ」
「でも、先輩の事だし、他にもかわいこちゃんはいっぱいいるし、っ俺は!別に可愛いわけでもないし、ただの平々凡々の一般人だし、特技もないし、頭も良くないし!」
「そないに自分を卑下すんな、お前の事すきな俺に失礼極まりない」
「あ、う、はい」

「……じゃあ、いってきます!」


俺はそれだけ言うと、オロちゃんを一気飲みしてダッシュした。

もうちょっと待っててください。
俺のこと、まだ好きで居てください。

そしたら俺、ちゃんと先輩に告白するから!





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あきゅろす。
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