miracle world
01
「…?何してんだお前」
「あ、ホス、じゃなくて黒川先生」
「てめえ今ホストって言いかけただろ」
「いやいやそんな滅相も無い。ところで俺に何か用ですか」
「別に何か用があるわけじゃねえけど…通りかかった廊下の隅っこで逆立ちしてるやつが居たら声掛けんだろ」
「や〜、えっとこれは…逆さまになってみればなんかいい方法思いつかないかなって」
「…とりあえず逆立ちやめねーか?頭に血ィ上んぞ」
「あはは、」
こうして俺は黒川先生に諭されて大人しく逆立ちを止めた。
うん………。
それにしても困った。俺はどうするべきか。まさかの人々からの告白。俺の今まではなんだったのかというくらいにことごとく千尋に向かうべき好意が俺の元へ向かってきてしまった。会長に真央に、もしかしたら太一先輩と……俺の気のせいじゃなかったら、もしかしてのもしかしてでち、千尋…。
や、きっと何かの間違いなんだろうけれども、実際に告白されてしまったのだからどうしようもない。からかっている風には見えなかったし。
どうしたものか…
なんということだ
これがモテ期ってやつか……
全員美形だけど、全員男か……
って問題はそこじゃねえ!
や、そこも問題だけど、一番の問題は返事をどうするかってことだ!!
「で?どうしたんだって?」
「え、あ!いつの間に!」
気づけばそこは黒川先生お得意の英語教官室。
「お前どんだけボーっとしてんだよ、どおりで覚束ない足取りだと思った」
「俺どうやってここまで…」
「俺がお前の手を引っ張ってやったんだよ」
「てかなんでここに来ることに?」
「俺が来いっつったから」
「ほ、ほほう…全く聞いてませんでした」
「てめえ…」
「はははさーせん落ち着いてください先生そんな睨まないでください怖い怖い」
そんでもってまるで面談のような感じで座ってるこの感じとかね。
いつの間に!?過ぎてもうほんと俺そろそろやばいんじゃないのかなって思うわ。
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