miracle world
08
どこにあったのか、俺のネクタイを取り出した真央が俺の息子を縛った。これでもう、ほどかれない限り射精はできない。
えぐえぐとベソをかきながらも喘ぐ俺を全く気にしない様子の真央は、冷めた表情で楽しそうに俺を弄んでいた。
頭から順にキスを施し、耳の辺りではしつこく耳攻めをくらった。言葉攻めも含んだねちっこいやつだ、耳は弱い。よって背中がびくびくっとなって、全身がむずかゆい。
もういい加減出したいのに、縛られてるから当たり前にそれはできない。
しかも決定的じゃないから苦しいだけで、睾丸の中で精子がぐるぐる製作されてるだけだ。
「ま、ぁ…まお、や、…ん」
「ダメ。ゆるさねえ。かわいーけど」
「ひっ、ぅう、ええ…ま、まお」
泣きながら真央を見るけど、真央は優しい顔でダメと言うだけ。
「幹人がもう俺しか見れないくらい、壊れるくらいになんなきゃダメ」
ひどい言葉が脳に響き渡り、俺はいっそう泣いた。
このまま解放されないかもしれない恐怖と、精子が出せないかもしれない不安。
苦しくて怖くて、真央に哀願する。その間も相変わらずさっきの携帯電話は俺に向けられていた。
「おねが…まお、まお」
「幹人、一番好きな人は?」
「……ふ、っぅ」
「だれ?ゆっくりでいい。息整えて」
嗚咽が止まらないし、快感もとまらない。
全然うまく呼吸ができなくて、生きてるのが不思議な感じだ。
「みんな、好き…」
「…それ言われて、俺が嬉しいと思うか?」
また怖い顔になった真央がいて、俺は頭を振って否定する。
「、ま、お…まおがい、いかっら…」
ピピッ
携帯のムービーはやっと止まったのか、真央は満足そうに笑うと俺を抱き上げて抱きしめた。縛られてるからどうにもこうにも反応は返せなくて、俺は泣きっぱなしでされるがまま。
唇に這わされた真央の唇。
くちゅくちゅ、ちゅぱ
と音がして、俺はその恥ずかしい音に頬を赤くさせた。
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