miracle world
05
もぞもぞ…
「ふふふふふ…かんぺき★」
リビングの全身が映る鏡で今の自分の姿を確認する。
そこには薄い青色のワイシャツに赤のネクタイ、藍色のベスト濃いチェックの半ズボンを着た一人の少年が居る。
「昔の俺ってこんなだっけ?」
なんとなく髪の毛を引っ張ってみると、昨日よりも薄い茶色のソレは高校生の俺のと比べるとめちゃくちゃさらさらで柔らかい。子供ってすっげえよな。なんかまだまだ世界を知らない体っていうか…。
あ。
「そういえば今の俺のちん子くんってどれくらいなんだろ」
高校生になっても周りと比べると決して大きいとはいえない俺のイチモツ。それが今の俺だとどれくらいなのだろうか…。なんとなく気になって服越しにそれを触る。ずり落ちてきたときとか着替えてたときはあんま考えないでパンツ履いたからな…。ずぼっとね。
「わお……ウインナーだ」
悲しいほどに小さなそれはまだ夢精だって知らないんだろう。
しかも、ちょっと、かなりシモい話になってしまうが毛が一ミリたりとも、一本たりとも生えていない。
「いや、まあ…今は俺のちん子くんがどうだとか関係ないよな。とりあえず一時間目に遅れることは絶対的にできないし、うん、よし、とりまレッツゴーだ!」
それにしても俺ってもしかしなくても独り言多いよなぁ〜…。
そんなことを思いながら俺は部屋のカードキーと携帯ともしものときのデジカメを首にかけた。
出発しようと右手をおーっと振り上げてやる気を高める。
…
「その前に、記念に今の俺も撮っておこう!」
リビングの全身鏡の前に戻り、デジカメを斜め下あたりに突き出してシャッターを押した。
写りは帰ってから確認すればいい!よし、それじゃあ本気でもう出発するぞ!!
今日はなんかいいもの見れそうだぜ!
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