far memory
06
次の日の朝を迎えた俺の目の下は、見事に飯田とお揃いになっていた。
「死ぬかと思った……ガキの四人や五人となめてかかってたあの頃の自分を戒めてやりたい」
一方の飯田はというと、
「すっきりソーKAIッ!!」
「その意味わかんねえポーズ止めろ。そして死ね」
ヤツは昨晩の育児を放棄。全てを俺に押し付けてさっさと寝てしまったのだった。
「ねえねえお兄ちゃん、僕お腹すいたあ〜」
「あたしおしっこもれるう!!」
「俺外行っていい?すぐ帰ってくる!!」
「…ZZZ」
「あ、ジュース零れた」
零したんだろボケええええええ!!
「とりあえず今日も泊まってくれるよな!仁!」
「なにがとりあえずだ。一生泊まらん。お前とはもう一生関わりたくない」
「しいいいのおおおおぶううううううう!!」
うるさい、うるさい!
俺はこんなキャラじゃねえだろ……
そうしてその二週間で、俺の持っている服の袖は殆どが伸びてしまったのだった。
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