中編
06
そう言われてみれば、どうすれば許すんだろうか。そもそも怒ってないと言った手前許しを請われると困ってしまう。かと言って怒ってないし許すも何もないなんて言ってしまえばきっとこの先何度もこんなことが繰り返されるだろう。
すいようび。
初めて水曜日に誘ってもらって嬉しかったのに、忘れてたなんてムカつきすぎる。何事もなかったかのようにココにきて抱きついてくるとかマジでイライラした。
ほんとは怒ってなくなんかない。ほんとはめっちゃ怒ってる。イライラしたっていっちゃったからもう認める。そう、ヤキモチやきました。約束破られたことなんかいっぱいある。この人すぐに言ったこと忘れるし気分屋だからもう慣れた。
でも、あたしと約束した時間を他の子たちと過ごされるのはやっぱムカつく。
ていうか、未だに水曜日の行事が行われてんのもムカつく。
「…まだ、怒ってるから」
でも、いろいろ考えていたら無性に先輩に抱きつきたくなって、そしたら目の前に居るもんだから素直に抱きついた。
先輩は何にも言わないでぎゅって抱きしめ返して、頭を撫で撫でしてくれた。先輩の胸ん中で、たらたら流れる涙の理由は分かんなかった。
こんな好きなのに、先輩はきっとあたしのことなんか暇つぶし程度にしか思ってないんじゃないかなーって、思う。先輩のせいであたしはこんなになってんのに、先輩はあたしのことなんか全然大した存在じゃないから、
ずるい
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