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エレジーコレクション
15.過保護

結局……

元親が完全に回復するまで、二週間を要した。




戦国の世の元親は、一度風邪を引くと、一ヶ月は床に臥す男であった。

それを思えば、現世の元親はまだ良い方やも知れぬな…。




だが、本音を言えば……




このまま……
ふたりだけの世界が、永遠に続けば良いと思っていた……




ここに閉じ込めて
我だけが
元親を愛でて
愛せば良いのだ……




「いってきまぁーす」




「嗚呼……気をつけるのだぞ……」
「は〜い」
「具合が悪くなったら、すぐに我に連絡するのだぞ…!」
「は〜い……ぇえっ?」

瞳が落ちるぞ、元親…。

「元就って……」
「なんぞ…?」










「や〜っぱ、過保護な!」










無邪気なその笑顔…




どうか…

我だけのものであれ……。












元就のお陰で、俺は完全復活した!

…看病してもらった時から、元就は過保護だってことも気付いた。

新発見、だな!




…熱を出して四、五日くらい記憶が無いけど、迷惑かけまくってたと思う。
だって…会社にも行かないで元就一人で世話してくれたんだよ……。
ただのお荷物には、なりたくなかったんだけどなぁ……。

……うぅ……。




熱も下がって、微熱状態が続いてた時……元就は

『愛しておるぞ…』

って、俺に何度も囁くんだ。




は…恥ずかしいよな…っ!




顔が…カァ〜って、赤くなるのが自分でもわかって…。
元就にバレないように、何度も顔を隠したっけ……。

うれしいんだけど……
恥ずかしかったんだ……。










元就……

ちょっぴり過保護だけど……










俺も……

だいすき……だからなっ!






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