I don't know 4ページ ―――― 廊下を歩いていていきなり腕を掴まれた。見上げると流川でちょうど周りから死角になるスペースに連れられた。 抗議の言葉も告げる間も与えられず口づけられた。 「‥‥っ!‥‥ッカ‥ャロウッ。誰かに見られてたらどうすんだよ」 「かまわねえよ」 壁に押され、また唇を塞がれた。 「るっ‥‥」 振りほどこうとする腕はびくともしなかった。 その間に唇は首筋へ移り、学ランの襟を開き鎖骨を強く吸い上げた。 「‥‥つぅ‥‥」 流川はTシャツから覗くところをわざと吸ってキスマークを付けた。 「ッバカヤロ、これから体育あんだぞ」 抵抗という抵抗ができず、流川にされるままになって悔しくってしょうがなかった。 流川も本気でやってはこないのをわかっている。だから執拗に苛めぬく。 「知ってんよ。だから付けた」 しゃあしゃあと言う流川。 「昨日の腹いせかよ」 何も言わず洋平を見下ろすと手を離し行ってしまった。 こういうときの流川はわからなかった。 それよりもコレをどうしようかと洋平は考えた。絆創膏でもあればいいんだがそんなもん持ってるわけなかった。 悩んでいると晴子に会い、そうだと思った。 「晴子ちゃん、絆創膏持ってる?」 「あるよ。洋平君どうかしたの?」 「うん、ちょっとね」 待っててと晴子は教室に入り持ってきた。 「ありがと」 晴子がくれたのは可愛いキャラクターの絆創膏だった。 女の子だよなと笑い、キスマークを隠した。 体育の授業中、花道にしつこく聞かれたが教えないの一点張りで通した。特に絆創膏のことは。晴子に貰ったなんて言えばどうなるかわかったもんじゃない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |