非日常が日常です(完結)
7
「どうしたんだ!」
「修ちゃんから「エッチ」って言葉を聞くなんて!」
「何で? 智彦さんが言ってただろ?」
「「またお前の所為!!」」
「あはは、帰る時に一時間経つと思って延長させてたんだよね。すごいね、本当変なこと言っても納得しちゃってる」
藤堂の部屋で呟いた田村の科白をまともに受け取ったらしい修也。
それに付け込もうとする大人に大崎がたまらず修也に抱きついた。
「ダメ! せんせーなんかにあげねぇよ! 俺のだ!」
「俺たち、だろ」
「いやぁ、誰のでもないと思うけど」
「とにかくダメなものはダメ!」
「あ、おい!」
大崎が修也を連れて走り出す。
一番行動力が無いと思われていた男の突然の行動に、平田も一瞬呆けるが慌てて後を追う。
田村がそれを残念そうに見つめた。
「あーあ、久々にヤりたかったんだけどなぁ。これから毎日会えるわけじゃないし……でも、布石は打ったしいっか」
「はあ、はあ……」
がむしゃらに走って、気が付けば大崎の家まで辿り着いていた。
「夢中だったから家に着いちゃった。ま、いっか、二人とも上がって……」
「うん……」
「おう……」
付いてきた二人も行き絶え絶えに答え、転がる様に上がり込んだ。
「お茶……入れる」
「お構いなく……」
息が整わず地味な会話が続く。
大崎が部屋を出て、平田と修也はついにフローリングに寝転がる。
ちなみに、追いかける気が無かったのか運動部の足に付いてこられなかったのか、田村の姿は途中から見えなくなっていた。
「あー疲れた! 修也ァ、疲れたな」
「そうだね、エッチもしないといけないのに」
「まだかかってる!」
驚きはしたものの、そういえば解いていないのだから当たり前だ。
平田は開き直った。
「んじゃ、しようぜ。久々に」
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