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非日常が日常です(完結)
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「今日で実習終わりなんて、ちょっと寂しいです」

「大丈夫。いちおう生徒とは個人的な付き合いをしちゃいけないって言われてるけど、前から連絡先を知ってる修也君ならOKだからまた遊べるよ」

「本当ですか!」

実習終わりに担当クラスからもらった花束を抱え、田村が修也へ微笑んだ。






今日は、平田たちが待ちに待った実習最終日である。

修也がお別れを言いたいというので廊下で待っているが、これさえ終わればまた毎日こちらのものだ。
にやにや妄想にふけていると教室のドアが開いた。

「修也ッ……なんだよお前か!」
「最終日まで可愛くないねー。女子なんか「せんせぇ〜アドレス教えて〜」って言ってくれたのに。まあ教えられないけど」
「つか興味ねぇだろ」
「ま、ね。化粧臭い子って嫌なんだ。それより爽やかな汗のイケメンな子啼かす方が」
「キメェ!」

「どうしたんだ? お待たせ」
「修ちゃん! 帰ろうー!」
「おう、早く行こうぜ。用事済んだんだろ」
「ん」

修也が振り向いて田村に手を振る。田村もにこやかな笑顔で倣う。
言葉の無いそれがやけに親し気に見えて悔しかったが、ここが終わればもう自分たちの物だとぐっと堪える。


「それじゃ帰ろうか」

「帰ろうー。宿題誰かの家でやろうぜ」

「そうだ……な!?」

他愛も無い話をしていると、大崎が急に立ち止まる。

「どうしたぁ?」

大崎の視線の先を二人が辿る。

そこには、襟元と袖口がフリルの白いシャツとぴちぴちのジーパンの上に清楚なフリルをあしらったピンクエプロンを付けた……ガチムチがいた。
おまけに胸元で両手を繋ぎ合わせてそわそわしている。

一気に寒気がした三人が一歩後ずさる。

「う、おおおお! 何だあの人やべぇ、ガチでやばい人種くさい!」

「にに、逃げよう逃げないと何か嫌な予感がこっち来たぁあああああ」

目が合った瞬間、走り寄るガチムチ。

恐怖で足がもつれながら逃げる三人だったが、人間を超えた速さで追いついたガチムチはあろうことか修也の両肩を掴んできて言った。


「その制服ってあそこの高校のだな? 田村智彦さんって知ってるか!」

「え……智彦、さん?」

「あいつの所為かぁああ!」



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