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非日常が日常です(完結)
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「おーいもう下校時刻だぞって何してんだお前ら」

開けたのは三人の担任教師である野原晴海だった。今日の見回り当番のようだ。
平田は何でもないという顔で言う。

「何って制服に着替えてるんすよ、今日片付けで遅くなっちゃって」
「ああそうか。早く着替えて帰れよ、全員帰らないと俺も帰れないんだよ」

そう言いながらドアを閉めようとする野原に「いい加減だなぁ」と大崎は感想を持ったが、ドアにかかっていた手はぴたりと止まる。

「ん?」と野原が振り向ききょろきょろとしていたがすぐにあるところに焦点が定まる。その先にはあのCDラジカセ、音に気が付いたらしい。

しまった流しっぱなしだったと焦る二人をよそに、野原はずんずんとそこへ近づいていく。

「CD聴いてたのか?勝手に使うんじゃないぞー」
「あっすみません!大丈夫です俺ら片付けるんで」
「いいよついでだから」

まさか野原にはかからないのか、野原の手がストップボタンを押し取り出しボタンを押されようとした瞬間、その体が急に硬直した。
そして力が抜けたように人差し指を立てていた手がだらんと下へ落ちる。

木下に比べ時間はかかったものの野原も無事催眠状態へと導くことが出来たようだ。その時間十秒程だろうか。

「っはあーびびったぁ。木下なんて一瞬でかかったからさぁ、このくらいが普通なのかもな」
「本当心臓に悪かった。でもどうしよう先生もかかっちゃってさ、解いてもう帰るか?」
「いや、野原が引っかかるなんておもしろいじゃん。遊んでから帰ろうぜ」

「えー」と言いながらも大崎はそれ以上反対しなかった。命令によりすでに制服に着替えた木下とともに、二人も帰り支度を済ませてから改めて野原を見遣る。
姿勢は固まった時と変わっていない。

とりあえず木下には黙って待っていろと命令しておいて、質問を野原一人に集中させることにした。


「野原、学校には誰か残ってるか?」
「ここにいる人で最後です。俺が当直なので教師もいません、夜中になると警備員が来ます」
「よし、今は俺たちだけだな」

「何聞こうかな、こいつ特徴無くてよく分かんねー」

目の前にいる野原を見ながら文句を言い出す平田。
ぞんざいな言い方であるが、確かに顔も整っている方ではあるが普通を脱しない程度、性格もサボり過ぎず熱心過ぎずな野原は、学校以外接点の無い生徒から見れば特徴が無いと言われても仕方がないのかもしれない。

「あ、じゃあさこれは?野原先生彼女いますか?」
「いいえ」
「野原って二十後半だっけ、リアルだな。じゃあ好きな奴はいるか?」
「はい」

肯定の返事に「おぉっ」と声が上がる。年頃的にいくら友人でもない教師のことと言ってもこういう話題は聞いておきたい。


「知ってる奴だったりして。野原、好きな奴の名前を言え」
「はい。木下修也君です」
「へーって、ええ!?」

ばっと平田も大崎も目を見開きながら後ろにいる木下を見る。木下はぼーっとこちらを向いて立っているだけで当然反応は無い。

「え、修ちゃ、ん?」
「こいつガチホモかよ、しかも相手が生徒とか教師としてどーよ」

まさかここにいる名前を言われると思っておらず、驚愕の顔で口ぐちに思ったことを言い合った。

「野原は木下のことどーしたい?」
「一番は付き合いたいですが、ダメなら目隠しして誰か分からないようにしてからフェラしてイカせてケツにぶち込んで何度も犯したいです」
「げっこえー!」
「先生こんなこと考えてたんだ……」

担任である男の衝撃的な告白に二人はドン引きしている。
だが逆に言えばこんなにあり得なくて面白いこともない。

「野原、告白の練習させてやるよ」



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あきゅろす。
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