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非日常が日常です(完結)
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ティッシュを添えて片手で少しずつ掻き出していく。こぽ、と音を立ててどろりと出てくるものを見てヤってしまったのだと実感がじわじわとくる。
それでも言いようのない高揚感の方が上回るのだ。

「こ、これでいいか」

最後に綺麗に拭いて下を履かせれば全て元通りで、ここで何があったのかなど誰にも分からないだろう。

慎也は緊張しながらボタンをもう一度押した。

空気が動き出す。

慎也はじっと修也を見ていたが、時間が動いたと思ったらぴくりと体が揺れてふらりと倒れてしまった。


「ふ……あ……?」

「修君!」

まずいことになったかと修也の顔を覗くが、一瞬ふやけたような放心状態のあとすぐに焦点が合い慎也と視線が絡まる。

「大丈夫?」
「あ……れ、うん、大丈夫」

力無く返事をして体を起こす修也。特に問題は無さそうだ。
もしかしたら情事の余韻が体にまだ残っていたのかもしれない。

慎也が思わず目を逸らすと修也が探していた隙間の影からひょこ、と消しゴムが見えた。

「修君、消しゴムってこれか?」
「そうそう、さんきゅー!」
「そうだ、俺服借りに来たんだ」
「服なら棚から好きなの取っていいぞ」

消しゴムを受け取った修也が机に向かいながら慎也に言う。やはり先ほどの出来事は全く無かったことになっている。

慎也は礼を言いながら適当に服を選んで自室に戻った。

ぱたんとドアを閉めてそのままベッドにダイブする。


「うう〜……俺童貞卒業しちった。修君の気持ち良かったな」

修也のナカの具合を思い出してまた顔を赤くさせる。
今日は初めてということもありあっという間にイってしまったので、もっと堪能したいと思えばまた一点に熱が集中した。

――クセになりそうだ。




「いってきます」
「いってらっしゃい」

テストも終わって上機嫌の修也は部活の道具を持って家を出ていった。
昨日はテスト返しと簡単な部活があっただけなので、土曜日の今日が本格的な部活の開始日だ。

慎也の方はというと、今日は部活が休みで一人つまらなさそうに過ごしている。

家にいても仕方ないと財布を突っ込んで外に出た。駅前で友人を見つけたので誘ってファミレスでダベったりゲーセンで対戦をしたりする。
それでも考えてしまうのは修也のことで。

だって童貞を卒業したばかりの男の子だもん。

可愛く思っても気持ち悪いだけだ、と慎也は自分にげんなりした。
その様子がいつもと違うと友人も心配する。

「慎也どしたー」
「あー?」

気の無い返事を返せば案の定笑われた。



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あきゅろす。
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